■第ニ回■
聖闘士星矢(車田正美)

この世に邪悪のはびこる時、必ずや現れるという希望の闘士。その拳は空を引き裂き、その蹴りは大地を割ったという。それこそがアテナの聖闘士。
【作品概説】
 地上の平和を守るアテナの元に集う聖闘士(注1)と呼ばれる少年達。彼らがアテナと共にサンクチュアリを手中に収めようとする教皇やポセイドン、ハーデスと戦う、ギリシャ神話をモチーフにしたいわゆるバトル物。アテナは武器を嫌うため、聖闘士である主人公・星矢達は聖衣(注2)と呼ばれる鎧を身に纏い、武器を使わず己の肉体を武器として戦う。聖衣は星座を元にデザインされており、その美しさは目を引く。また、聖闘士達が使う必殺技もこの作品の見所の一つ。そして熱いストーリー展開は一読の価値があると言える。
 この作品はサンクチュアリ編、ポセイドン編、ハーデス編の三部があるが、特にハーデス編は素晴らしい。サンクチュアリ編もポセイドン編も、全てはハーデス編のための長い伏線でしかなかったように思われる。連載当時には大人気を博し、アニメ化もされた有名な作品であるが、最後まで読んだ人は意外に少ない。途中で読むのをやめてしまった人は、今からでも最後まで読むことをオススメする。
 なお、現在、黄金聖闘士の昔の話が岡田芽武氏の手によって連載(注3)されている。
【所感】
 私が覚えている限り、一番最初にハマッた漫画がこの作品だった。ギリシャ神話というのも良かったし、何より必殺技というものに目がない人間だから新しい聖闘士が登場し必殺技を使う度に燃え上がったものだった。この作品が大好きだったせいか、今でも友人などに星座を聞いた時にその黄金聖闘士を思い浮かべてしまう。そして蟹座の人を気の毒に思ってしまう。デスマスクだけ悲惨な役回りだもんなぁ。
 上記では『未読の人は最後までちゃんと読め』みたいなことを言ってますが、私も実はサンクチュアリ編の途中で読むのをやめたんです。単行本も十巻で止まってました。ゴメンナサイ。で、連載が終わって五、六年くらい経った時になんとなく続きを買ったんです。最初は『懐かしいなぁ』ぐらいの気分で読んでいたんですが、ポセイドン編で星矢達の聖衣が黄金に輝いた時(注4)、再び心に火がついた感じがしました。そしてハーデス編。ここではもう、ドップリでした。特にサガ、カミュ、シュラたちが十二宮を駆け上って黄金聖闘士たちと戦うあたりはもうたまらん!、って感じ。ホント、ハーデス編を読まずしてこの作品は語れない、って感じですよ。ただ一つ、残念というか、予想外だったのはハーデスにとどめをさすのが主人公の星矢ではなくアテナだったってこと。まあ、立場上、こうなるべきなのかなという気もしますが。
 そう言えばアニメ版はスチールセイント(注5)なる奴等が出てきたっけなぁ…。(2005年2月7日)

(注1)『セイント』と読む。
(注2)『クロス』と読む。黄金、白銀、青銅に分類される。例外的に暗黒聖闘士という者もいる。
(注3)『聖闘士星矢EPISODE.G』(秋田書店)。
(注4)十二宮の戦いでボロボロになった星矢達の聖衣修復の際、黄金聖闘士達が血を提供した。その影響か、小宇宙が高まると本来、青銅であるはずの星矢達の聖衣が黄金に輝くようになった。
(注5)確か、城戸財閥がその財力で作り上げたとかいう設定で、三人ぐらいいたような…。

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