■第四十七回■
あずまんが大王(あずまきよひこ)

やなタイトルだな…

【作品概説】
 舞台はとある共学高校。
 マイペースでわがままなゆかり先生のクラスは、ちょっと変わった生徒ばかり。元気だけがとりえの智、ふだんはクールなのにネコ大好きの榊さん、10歳で飛び級して高校に入ってきたちよちゃん、天然ボケの大阪(注1)などを中心に、ほのぼのとした学園生活を描く。

【所感】
 形式としては四コマ中心だが、厳密に言えば四コマ漫画ではない。四コマで話が完結しないことも多いし、前の話を引きずっているものも多い。また、ギャグ漫画ではあるものの、抱腹絶倒、という感じではなく、ちょっと噴出すような感じのギャグが多い。それがシンプルで見やすい絵柄と相まって、独特の雰囲気を作り出している。
 登場人物の中で特定の主人公というものは存在しない。ゆかり先生のクラスの生徒たちが中心となっているが、超個性的、というほど強烈な個性を持っているワケではなく、それぞれに特徴があるといった感じ。それらが上手く組み合わさっている。
 また、男子生徒はほとんど登場しないのも特徴。一番登場回数の多い男性キャラクターは教師の木村(注2)である。そのためか、恋愛話などは全然ない。
 ネタそのものの面白さ、というよりも、それぞれの登場人物が持つ特徴を上手く絡めて作ってある。それ故、登場人物に馴染むことができる人とそうでない人とでは受ける印象はだいぶ違ってくるだろう。その辺がいわゆるキャラ萌えにも繋がってくるのかもしれない。
 男子、女子ということを考えなければ、誰もが経験したことのある、仲の良い友達との生活(注3)のような感じ。ほのぼのとした、ちょっと面白い日常生活。ありそうな、なさそうな日常。それが人気の秘密であるのかもしれない。(2006年11月19日)

(注1)本名は春日歩。大阪から来たからそう呼ばれている。
(注2)教師になった理由を『女子高生が好きだから』と公言して憚らない恐るべき人物。美人の奥さんとかわいい子供がいる。
(注3)友達同士だからこそ、笑えるような会話や状況というのがあると思う。この作品のギャグはそんな部分がけっこうある。

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